騒音被害


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高層住宅の騒音マンションによる騒音被害
高層住宅の高層階であれば騒音問題は関係無いと思っていませんか。所がそうではないのです。
上の図を見ていただきたい。高層住宅の向かいに、ある程度の高さの建物がある場合は道路上での音がその建物に反射して上層階まで影響があります。
あたかも同じ階で音がしている感じがしますから、驚きです。その反射音を増幅
している原因になるものがバルコニーや庇がある場合です。

上図のように、音源からバルコニーの床に反射して窓から入ります。たとえ窓を閉めていても硝子の振動により、室内に響くでしょう。
防音対策としては、バルコニー
床下に防音材を貼り付ける事が考えられます。実際にそうした対策を施した建物もあります。
これに対して2010年9月には、清水建設が合板製のパネルを使った「遮音バルコニー」を開発しました。天井に設置したパネルの反射角を変えることで、騒音を屋外に拡散させる仕組み。既存のベランダなどへの取り付けも可能です。
滋賀県内にある10階建てのマンションにより騒音被害を受けた例があります。

マンションの正面に電車の線路があり、被害を受けた住宅はその線路を挟んだ
向かいにありました。騒音の測定点を被害の受けた住宅と同距離にあるマンションの斜め前にも設けて測定した結果、電車の通過時には大きな差が出たのです。

1997年大津地裁は、電車の騒音が
マンションに反射するために起きたものとし、受忍限度を超える被害を受けたと認定しました。その結果、二重サッシなどの防音工事と共に慰謝料の支払を命じる結果となりました。

又、騒音被害とは別に、マンションから住宅をのぞきこめるとして、プライバシーの侵害による不法行為までもみとめたのです。そして、被害を受けた住宅のブラインドの設置費用を認めました。
08:30

スーパー銭湯騒音被害裁判低周波音の住宅設備
名古屋市内、用途地域が第一種住居専用地域の場所にスーパー銭湯の計画が持ち上がりました。それには、171台分の屋外駐車施設も備えてありました。
事業者が役所に建築確認の申請を行なった後、近隣住民は建築差し止めを求める仮処分を裁判所に申請しました。
裁判所の判断は
 用途:スーパー銭湯を公衆浴場と見るのは問題だが、個室付きではないので第一種住居専用地域に建てる事は、違法とは言えない
 駐車施設:一日の車の出入は、日曜祝日では900台程度と考えられ、その大半は第一種住居専用地域内の道路を使うことが予想される。近隣住民は来場車のエンジンやドアの音など、特に土、日、祝日の夜間は大きな騒音被害を受ける。
結果、スーパー銭湯により、近隣住民が民事上の受忍限度を超えると判断し、97年裁判所は建築差し止めを認める判決を下しました。
群馬県高崎市の住宅地で、Aさん宅の東隣に、被告のBさんが2009年2月に住宅を新築。住宅に付随したエコキュートのヒートポンプユニットと貯湯タンクを設置。
2011年7月、エコキュートから発生した低周波音のために、Aさんと、その奥さんが不眠症などの健康被害を受けたとして、機器メーカーとハウスメーカーの大和ハウス工業に約270万円の損害賠償を請求しました。
また、2013年3月にはBさんに対し、エコキュートの使用停止を求める裁判を起こました。その結果2013年11月18日、前橋地方裁判所高崎支部でこれら2件の訴訟の和解が成立。
和解内容は(1)設置されたエコキュートを撤去する、(2)エコキュートと異なる電気給湯器を代わりに設置する、(3)原告に費用負担を求めないなどです。今の設置場所と反対側への移設も検討しましたが、被告の合意が得られなかったのです。
低周波音を巡る紛争の調停を、公害問題を専門とする国の機関の公害等調整委員会が行うケースもあります。環境省が公表した「低周波音問題対応の手引き書」に記された低周波音の「参照値」以下であるという理由で、公害等調整委員会は申請を棄却することが少なくないのです。
そのため、申請を棄却された人と弁護士など6人が、参照値を定めた環境省に損害賠償を請求する裁判を起こしています。2013年9月には東京地方裁判所が原告敗訴の判決を下したので、原告は控訴しています。
08:30


保育園の騒音被害裁判家庭用給湯システム騒音
神戸市東灘区の男性が自宅近くの保育園から聞こえる園児の声などによって精神的苦痛を受けているとして、慰謝料100万円と防音設備の設置を求め訴訟をおこしました。
「保育園の騒音で家族の会話もままならず、テレビの視聴にすら支障を来している」と主張していたのです。2017 年2月神戸地裁は「園児の声などの騒音レベルが社会生活上の限度を超えているとは認められない」との判断をし、男性の請求を棄却しました。
その上で「保育園の公共性をことさら重視し、受忍限度を緩やかに設定できない」と述べ、周辺への影響は、国などが定める通常の騒音規制を基準に判断すべきだとしました。運営法人が開園前、1年ほどかけて近隣住民と騒音対策について協議し、一部の住民宅の窓を二重サッシにしたり、防音壁を設けたりしたことも、判決の判断とされたのでしょう。
弁護士の主張は「保育園は神戸市における児童福祉施策の向上に寄与してきたという点で公益性・公共性が認められる」との事。
消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が2017年12月、報告書にまとめたものです。
「エネファーム」「エコキュート」で知られる家庭用の給湯システムの屋外設置機器による騒音被害です。
隣家や自宅にある省エネ給湯器の運転音で、不眠や頭痛、耳鳴りなどを発症するケースが目立ち、200件ほど報告されています。
症状は不眠、頭痛、耳鳴り、倦怠感、吐き気、胃痛、下痢、便秘などの健康障害の発症があげられます。原因はその
低周波音とみられています。
しかもその症状があらわれるのは、機器の稼働後、1か月未満から3か月以内がおおいいのです。
消費者安全調査委員会は「関連性は否定できない」とする報告書をまとめました。
環境省によると、低周波音は100ヘルツ以下を指し、エンジン音や滝の音などに多く含まれ、低周波音が大きくなると、不快感で眠れないなどの不調を訴える人が出るといいます。