地盤沈下


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自分の敷地に違いがある隣地が危ない
普通、自分の敷地の中は同一の地質の地盤であると思っていませんか?
所が、そうでもないのです。表面は薄い同じ土で覆われているので解りませんが、掘ってみると分かります。
下の図のように、地層が違う地盤を分からずに家を建ててしまうと、盛り土(軟弱地盤)のほうに家が傾いてしまう地盤沈下の現象がよく報告されています。TVなどにもその例が紹介されています。
ただ、その兆候が現れるのは家を建ててから1年ほどしてからでしょうか。
新しい土地では、1年以上は家を建てずに、土地が落ち着くまで寝かしておくことが大切です。盛り土部分が自重により自然に固まって行くからです。


例えば、下図のように隣地において盛り土を造成して家を建てた場合、何年か後には以前の地盤が盛り土により沈下を起こします。

その沈下に自分の敷地の地盤までが引きずられてしまい、その結果、自宅までもが被害にあってしまう例があるのです。

このように、見た目だけの判断は禁物であり、地盤調査は是非とも必要です。

多少の費用はかかりますが、安心を買うと思えば安いものです。



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不同沈下地盤沈下対策
ある土地付き建売住宅を購入した数軒は、軟弱地盤の土地である事で、地盤沈下が発生し、建物に多数の不具合が生じ、日常生活に支障をきたしたため、売主と仲介業者相手に訴訟を起こすこととなりました。
その結果、軟弱地盤にも関らず、基礎工法の選択並びに施工が不当であるとして、住民らの訴えを認めています。
又仲介業者に対しては、軟弱地盤である事の説明義務を怠ったとして、住民の請求を認めたのです。このような訴えは全国で多数あるようです。
1998年竣工したS造地上2階建て・一部平屋、延べ面積約1900m2の宿泊施設。竣工直後から、床に置いたボールが転がったり、浴室のタイルがはがれたりするなど、建物の傾斜を示す現象が生じ、「扉の建て付けが悪い」といった宿泊客からの苦情が相次ぎ、営業に支障を来すようになりました。
2005年7月建て主は、設計・施工を手掛けた建設会社を提訴。2012年2月東京高裁は建て替え相当の損害賠償金約2億9500万円の支払いを命じました。
裁判所は、不同沈下によるクラックが基礎梁に多数発生し不均質な地盤で独立基礎を採用した「施工上の瑕疵」を重くみて、厳しい判断を下したのです。
地盤沈下の多くは、地下水の過剰な採取により地下水位が低下し、粘土層が収縮するために生 じています。

一度沈下した地盤はもとには戻らず、沈下量は年々加算されていくこととなります。

この ため年間の沈下量がわずかであっても、長年においては建物の変形、破損や洪水時の浸水増大などの被害 をもたらす危険性があるのです。
そこで地盤沈下防止等を図るため、地下水採取規制等、対策が講じられています。

地下水採取規制 東京都
        神奈川県
        大阪府
08:30

隣地に大きな被害島根県営住宅の悲劇
ある土地で地下付きのビル建設工事中に隣家の建物が傾いた為、訴訟問題が発生。この一帯は軟弱地盤であるにも関らず、地質調査もしないまま、いい加減な山留工事が原因とされました。
工事側としては隣接地での地盤沈下を招く事は十分予見出来たとして、業者と設計者に対して、隣地側の請求を認めました。
ここで問題なのはビルの建主の立場です。建築に素人の立場では在りますが、軟弱地盤においての地下掘削は隣接地にも何がしかの被害予想はつくものだとし、工事を中止させるなどの注意義務があるとした判断が下されましたのです。
建主の責任を問われた裁判例はほかにも多数あります。建築を建てようとする場合には業者に任せっきりでは問題があるようです。
他の例として、秋田県は2008年9月、秋田市の秋田中央道路建設工事に起因する地盤沈下により、建物被害学校や店舗、住宅など52件もの建物被害があったことを発表しています。
さらに、千秋公園お堀部分の高速道路工事により、地盤沈下による建物被害が発生していることも明かにしています。
他の例として、2009年2月、三重県伊勢庁舎の建替え工事が着工。ところが2009年11月、建設地の南側地区の住民から、自宅の壁に亀裂が生じたといった報告が寄せられました。
被害が及んだエリアは建設地の南側に隣接した高台、約3000m2。民家6軒とアパート1棟の壁面、駐車場のアスファルトやブロック塀などにひび割れが確認されました。
県が2010年初めに実施した調査では、新庁舎の基礎工事に伴って建設地の地下水をウエルポイント工法で排水した結果、高台の地盤沈下が起こったと特定したのです。
そこで県は、2010年9月、周辺住民への移転補償費3億9042万円の一般会計補正予算案を県議会に提出し、その後に開催される本会議で可決さました。
1995年、鉄筋コンクリート造 3階建ての島根県営住宅 渡津団地が誕生しました。
その後、2018年3月に地内の地盤をボーリング調査、解析したところ、建設当初から現在までに約 17cm地盤沈下している結果となりました。
今回、3号棟を中心にボーリング調査を密に行ったところ、建物付近には腐植土 盛土の間に、過去に南側の山が崩れて堆積した地層(崩積土)が分布している ことが判明したのです。
団地の敷地は、もともと基岩の上に形成された谷の沼地に、植物などがたまって 形成された腐植土の上に、盛土をして造成されたものでした。
 その後、盛土や舗装等外構工作物の影響により、腐植土が圧縮され、地盤沈下が発生。
結局、地盤は上から、盛土→崩積土→腐植土→基岩の順になっていると推測 されます。
崩積土の下の腐植土が、建物荷重や盛土の重さで圧縮したため、崩積土又は腐植土で支えられた一部の杭が一緒に沈下したと推測されるのです。
現地土壌を用いた試験を行い、今後の沈下量を推定したところ、現時点では地盤 沈下はほぼ収束していると推測されますが、構造的な機能に支障が出ている可能性があり、継続利用は困難と判断さ れています。

地盤沈下ー2
怖い液状化 も参照して下さい