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活断層 | マグマと水が危ない | ||
活断層とは、200万年前以降に繰り返し活動し、今後も活動すると考えられる断層の事です。日本全国各地に広がる活断層は日本列島に何枚かのプレ-トがぶつかる島国としての特徴を物語っています。 最近の調査では日本全国の活断層は約2000本あるとされています。その中で特にここ30年以内に地震が起こるとされる活断層として、関東では三浦半島で可能性は11%。その他小田原.国府津があげられています。
関西では大阪府を南北に走る上町断層帯で確率が高いのです。阪神淡路大震災では、淡路島の活断層が上下に割けていた映像が印象的でした。
実は1974年の神戸新聞の大見出しに「神戸にも直下地震の恐れ」と出たのです。当時、大阪市大の「表層地質研究会」が指摘したもので、「臨海部に破砕帯?」「地震帯、市街へ延長も推定」の文字が見られます。2018年2月、台湾東部でマグニチュード6.4の地震が起き、多数の死傷者が出ました。日本で紹介されたニュース映像では倒壊寸前の状態になった建物が映し出されていましたが、付近には活断層の「米崙断層」があり、揺れが激しくなったといわれています。 2018年6月の大阪、震度6弱の地震は、有馬ー高槻断層帯で起こりました。これは、阪神大震災の六甲・淡路島断層帯に繋がっています。
しかしその後、誰も検討する事もなくあっさりと忘れ去られてしまったのです。「関西で大きな地震は起こらない」の常識が勝ってしまったのでしょう。
2007年3月の能登半島地震では、今まであまり知られていなかった半島沿岸の活断層が動いたとされています。海底活断層は陸地と比べ、見つけにくく解明は進んでいません。又、阪神大震災以降、被害予想が大きい大都市沿岸地域の調査が優先となっていた事もあります。
2005年の福岡沖地震も海底活断層によって引き起こされてものでした。2009年8月には、山口県にある「菊川断層帯」からさらに40Kmのびる海底の断層を確認しました。ただ、この断層が活断層かどうかは、今後の調査を待つことになります。この「菊川断層帯」は、将来マグニチュード7.6クラス以上の地震が発生すると予想されています。
2010年6月、中国電力は島根原発沖の日本海に延びる活断層の調査するため、海上音波探査を実施すると発表。これは、国の原子力安全委員会の意見を受け、自主的に実施。調査対象は、島根半島沖合の東西約25キロ、南北約10キロの海域。調査船で海上から音波を発振し、海底から反射した音波を分析し、地層の構造を調べます。
断層がつながっているとする文献もあるため、仮に断層がつながっていれば、総延長は約51,5キロに達することになりますが、「原発からは遠く、安全性に影響はない」としています。
2010年10月、国の地震調査委員会は静岡県にある富士川河口断層帯の長期評価を発表。駿河トラフで発生する東海地震と連動する可能性が高いとしました。
活動間隔の平均は前回の1500年程度に加え、150~300年程度で起きる可能性もあると。同断層帯は、静岡県富士宮市、富士市、静岡市清水区を南北に走り、長さは約26キロ。
地震の規模は、東海地震と合わせてマグニチュード(M)8程度、単独の場合はM7,2とされます。同委員会としては、思っていた以上に頻繁に断層が動く可能性があるといいます。2017年2月、政府の地震調査研究推進本部は、大地震を起こす恐れがあり優先的に調査する「主要活断層帯」に、中国電力島根原発近くを走る「宍道(鹿島)断層」など、関東、中国、九州地域の16カ所を追加することを決めました。従来の97カ所と合わせて計113カ所となりました。 | 大きな地震を引き起こすためには、断層を動かす何らかの働きがないと大きくずれない。その誘因として、クローズアップされたのが2003年の宮城県北部地震で確認されていた『震源直下のマグマと水』の存在でした。 そこから生まれたのが、断層面に沁みこむマグマから分離した水の地震誘因説でした。 ただ、深さ100キロ位から上昇する地下マグマの一部は、火山のマグマ溜まりに吸収され、それ自体は地震の原因になりません。 問題は、途中で固まってしまう地下マグマです。これは、もともと水分を含んでいるため、固まる時にその水分を吐き出します。 マグマの吐き出した水分が、断層に入ることによって断層が滑りやすくなり、その水が「地震誘発の潤滑剤」という説です。 東北大学の研究チームは、北陸から近畿にかけての地下400キロより浅い部分の構造を、地震波が伝わる速度を使って調査。 その結果多量の液体を含む部分を、地下40キロ以深の「マントル」と、地下25キロ付近の「地殻」の部分にそれぞれ発見しました。 そして2004年の中越地震の震源直下にも、マグマと水が確認されたのです。中島淳一助教は「マグマが直下にある場所は地震が発生しやすいといえる」と話しています。 又、信大理学部の塚原弘昭教授は、長野市松代町の地下には、マグマが冷えて固まる際に出た炭酸ガスを含む水「マグマ水」がたまっており、昭和40年代に群発地震を引き起こしたとの調査結果を、発表しています。 35万年ほど前に付近の皆神山を形作ったマグマが冷えて岩石になる際にできたマグマ水が、松代町の地下10-25キロ付近の水を通さない層の下にたまっていると推測。 マグマ水は温度が300-400度とみられます。 この、水を通さない層が地震などで破れると、下に高圧で閉じ込められていたマグマ水が地中を上昇し、そして岩盤の裂け目に入り、次々とずれを引き起こして群発地震が起きると考えられるといいます。 東北大学の岡田知己准教授らの分析で2008年6月の岩手・宮城内陸地震は、断層に入り込んだ水によって引き起こされた可能性が高いことが分かりました。 1987年と03年に宮城県北部で起きた地震の断層でも、同様の地下構造が見つかっています。今後は、水を含む岩石の広がりの範囲から、地震の規模も推定できるらしい。 東北大学 地震・噴火予知研究観測センター |
危険な活断層-1 | 危険な活断層-2 | |||
2007年8月、産業技術総合研究所活断層研究センターからの報告によると、福岡市中心部を走る「警固(けご)断層」の地震発生確率について、30年以内にマグニチュード7.0クラスの地震が発生する確率は、長期評価の最大6%から、最大10%程度に高まることがわかりました。 これは、2005年3月の福岡県西方沖地震に伴う海底断層のずれによって警固断層が受けた圧力は、最大で大気圧の5倍程度と推定。この圧力を加味して再計算し、最新データで改めて分析した結果であるとしています。 2007年7月の新潟県中越沖地震も3年前の中越地震に誘発された可能性が指摘されており、センターは「警固断層も十分な警戒が必要」と呼びかけています。 東京大地震研究所の教授らは2007年7月に起きた中越沖地震の余震分布と地質構造などを分析、日本海海底下の北西深部から南東の地上方向に斜めにのびる震源断層の一部は陸域まで及び、鳥越断層と連続している可能性が高いとの結果を得ています。 | 2008年3月、原発の直下や間近を活断層が通っている事が、事業者の原発耐震再評価により分かりました。福井県美浜原発の西3キロの活断層が、長さ18キロあり、M-6.9の地震を引き起こす恐れがあると予想されています。 またこの活断層は東の地下に斜めに延びており、美浜原発の直下4キロ、もんじゅの直下5キロを通っていました。もんじゅの直下1キロには別の活断層、白木一丹生断層も確認されています。そして敦賀原発の東200mを通る断層が、長さ25キロに及び、M-6.9の地震を引き起こす恐れがあると予想されています。 2008年5月、政府・中央防災会議は、東南海・南海地震と連動して近畿と中部で起こる可能性がある内陸地震のうち、二つの断層帯で冬の正午にマグニチュード7・6の地震が発生した際の被害状況を検討しました。 大阪府を縦断する上町断層帯で地震が発生した場合、経済的被害が最大74兆円。一方、愛知県東部を走る猿投―高浜断層帯で地震が起きた場合は同33兆円に上りました。 この地域は東海道新幹線や東名高速道などがあり日本が分断され社会・経済的なダメージが大きいのです。 |
危険な活断層-3 | 危険な活断層-4 | |||
2008年3月、原発の直下や間近を活断層が通っている事が、事業者の原発耐震再評価により分かりました。 福井県美浜原発の西3キロの活断層が、長さ18キロあり、M-6.9の地震を引き起こす恐れがあると。 またこの活断層は東の地下に斜めに延びており、美浜原発の直下4キロ、もんじゅの直下5キロを通っていました。もんじゅの直下1キロには別の活断層、白木一丹生断層も確認されています。そして敦賀原発の東200mを通る断層が、長さ25キロに及び、M-6.9の地震を引き起こす恐れがあると。またこの活断層は東の地下に斜めに延びており、美浜原発の直下4キロ、もんじゅの直下5キロを通っていました。もんじゅの直下1キロには別の活断層、白木一丹生断層も確認されています。そして敦賀原発の東200mを通る断層が、長さ25キロに及び、M-6.9の地震を引き起こす恐れがあると。 | 2008年6月、文部科学省は中国・四川大地震を受けて、地震の規模や発生確率、社会的影響が大きい活断層を重点的に調査する方針を固めました。 三浦半島(神奈川県)断層群 神縄国府津-松田断層帯 富士川河口断層帯 糸魚川-静岡構造線断層帯 琵琶湖西岸断層帯 中央構造線断層帯(奈良-四国) の6ヶ所です。 | |||
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危険な活断層-5 | 危険な活断層-6 | |||
2008年6月に起きた岩手・宮城内陸地震M-7.2は大きな問題をのこしました。周辺地域には「北上低地西縁断層帯」ががあり、国はM-7.8の地震を予想していました。しかし今回の地震はこの断層からは離れていたのです。調査から、長期間活動が無かった古い断層の可能性が出てきました。ゆえに今後は日本中の「古傷」を至急チェックしなければなりません。 そして、名古屋大や産業技術総合研究所などの調査で分かった事は、地表に現れた過去の地震活動の痕跡が見落とされていたこと。従来の航空写真を使った活断層調査では、より粗い写真での判読でしかなかったのです。 | 2009年6月、地震調査研究推進本部は、静岡県東部から相模湾にかけて神奈川県西部を走る活断層「神縄(かんなわ)・国府津(こうづ)―松田断層帯」がずれて発生する直下型地震を想定した予測震度分布図を改訂し、公表しました。 それによる予測震度は、神奈川県小田原市や平塚市の平野部で6強以上、横浜市や川崎市の一部で6弱、東京都や埼玉県の荒川沿いの低地で5強。また、この断層で30年以内に地震が発生する確率を0.2~16%と予測しています。 | |||
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