難しい地震保険

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地震保険の支払額地震保険の本質
東日本大震災による地震保険の支払い金額は、2011年7月7日現在で1兆530億円超でした。
地震発生から4ヵ月弱で9割の支払いを終えており、これまでの最高額は1995年の阪神・淡路大震災約783億円ですから、東日本大震災の被害の大きさがわかります。
地震保険では、鑑定人が損害の大きさを調査し、全損、半損、一部損という3つの区分に認定し、保険金が支払われます。
しかし東日本大震災では被害が甚大であり、個別に調査していたのでは支払いまでにかなりの時間を要したはずです。そこで損害保険業界では、航空写真や衛星写真を用いて、津波などで壊滅的な被害を受けた街区にある契約をすべて全損と認定するといった例外的措置をとりました。
例えば、新潟県中越地震(2004年)での地震保険の支払い保険金総額 : 148億9,300万円
福岡県西方沖地震(2005年)での地震保険の支払い保険金総額 : 168億9,600万円
ちなみに、震災前(2009年度末)の加入率は国内全体で23%ですが、津波による被害がとくに大きかった東北3県では、岩手県で12%、宮城県33%、福島県14%の加入率でした。
地震保険は火災保険とセットで契約する保険ですから、とにかく火災保険に入っていることが前提です。
そして地震保険で契約できる保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲内と決められているのです。
例えば、火災保険の保険金額で住宅を建て直すための資金と考えても、地震保険では、火災保険の半分しか加入できませんので、地震保険での住宅の建て直しは出来ない事になります。
さらに、地震保険の保険金額には、建物は5,000万円、家財は1,000万円という上限があります。仮に2億円の豪邸でも、地震保険には、最高で5,000万円までしか加入出来ません。
基本的に保険は、保険会社が利益を出すためのものであるし、保険会社は損はしません。
ですから、限度額、や限度率がもうけてあるのです。
しかも、損害の認定をするのは保険会社側の人間なのです。その基準が極めて厳しいのは、当然でしょう。
であるならば、その毎月の保険金を払ったつもりで預金するのも、一つの選択肢です。