太陽電池パネルが危険 | 危険なエアコン洗浄 | ||||
2017年、神奈川県川崎市の戸建住宅に設置されたシャープ製の屋根一体型の太陽電池パネルから出火。屋根の一部が焼け抜ける火災に発展。 川崎市消防局によると、瓦の一部がパネルに重なり、継続的にホットスポット現象が起こっていたことが原因とみられています。発火原因は特定されていないですが、シャープの説明によると、太陽電池セルとインターコネクターのはんだ付けの強度低下が発火の原因とみています。 そのため、シャープは2003年2月から2005年6月までに製造した10機種について、点検と交換の作業を無償で実施しました。2018年2月から安全点検を開始し、2018年8月末日時点で約500件の点検を終了。8月末日時点で約500件の点検を終えました。 モジュールに不具合が見付かったのは、うち約1%。そして、2019年6月までに全ての交換作業を終える予定にしています。 2005年7月から2006年1月までに製造した「瓦型住宅用太陽電池モジュール」10機種についても、無償での安全点検を購入者に呼び掛けています。 しかし、対応は万全ではなく、無償での安全点検と交換が始まった2月以降も、同社製の太陽電池パネルが原因と見られる火災が発生。2018年3月に埼玉県で、4月に東京都で事例が報告されています。 | 福岡市消防局によると、2013年8月福岡市内の住宅のエアコンの室内機が発火して火災が発生。それにより天井や壁が延焼しました。 焼け方が最も激しかったのは、室内機のファンモーター付近のリード線接続部でした。室内機の内部を詳しく調べてみると、ファンモーター部からエアコン用の洗浄スプレーに含まれる成分が検出。 実は、この居住者は火災の6カ月前に市販の洗浄スプレーを使い、エアコン室内機の内部を洗浄していたのです。 エアコンは熱交換器が汚れると、運転効率の低下を招いたり、カビや臭い、雑菌の温床になったりします。そのため、以前では、エアコンメーカーは汚れを除去する内部洗浄が必要となる場合がある旨を伝えていました。 この住宅のエアコンは使用開始から9年が経過し、汚れが気になって内部洗浄したと思われるのです。 2018年6月、独立行政法人の製品評価技術基盤機構は、エアコンや扇風機が原因となった火災が2016年度までの5年間で376件あり、9人が死亡したと発表した。毎年6月から8月は火災が多発しているといい、注意を呼びかけています。 エアコンでは、内部を掃除した際に電機部品に洗浄液がついたことが原因で出火につながったケースのほか、引っ越しなどでエアコンを移動させた際に電源コードを継ぎ足したところ、接続部分から発火したケースもありました。 「内部清掃時の不注意」は、エアコンの内部清掃に使うスプレーなどの洗浄液を、電気が通る部品やファンモーターなどに掛けてしまうことことです。洗浄液が部品にかかると、それが原因となって火災が発生しやすくなります。 |
怖いホットスポット | 怖い室外機 | ||||
2016年4月川崎市高津区に建つ2階建ての戸建て住宅の屋根に設置してある屋根一体型の太陽電池パネルから出火。そして、屋根の一部が焼け抜ける火災に発展。この住宅で採用していたのは、パネルが屋根材を兼ねるシャープ製の屋根一体型の製品。川崎市消防局によると、焼損は屋根にある太陽電池パネル数枚と、その下の野地板や断熱材などに限られ、ホットスポットによるものだと結論しました。 太陽電池パネルメンテナンス会社によると、チェック時に、全体にはパネルの温度は同じですが、、ある一部分は周りより30度以上も上昇している箇所がある事があります。これが「ホットスポット」と言われるものです。チェッカーで確認すると警報音が鳴り真夏になれば、さらに温度上昇します。この異常部分の下に、ホコリが入ったり、小動物や鳥が巣をつくったりすると、熱せられ火災が発生するのです。これを放置しておくと、他の部分は発電しているので、発電が出来ない部分に集中して負荷がかかり熱を発し、発電量も下がるし、火災事故が起こりやすくなります。先の川崎市消防局によると、同型のパネルを採用した住宅は、2005~2011年までに全国で1万7318棟建設されたようです。 | 2012年10月、千葉県松戸市の日本基督教団新松戸教会で、午前2時ごろに2階の約73m2を焼損する火事が発生。 建物は火災の2年前に新築した軽量鉄骨造の住宅で、外壁は窯業系サイディング張り仕様。1階を教会、2階を牧師の家族としての居住スペースとして使用していました。 消防の検証では2階のベランダの室外機とその周辺の焼損が最も激しかった事を確認。そして問題となったのはダイキン工業製のエアコンの室外機が、2階のベランダに設置されていた事でした。そのために、教会側は室外機から発火したと主張。 しかしダイキン工業はこれを否定しました。そのため教会側は2014年11月「住居兼教会の建物が火災に遭ったのは、エアコン室外機の欠陥が原因だ」として牧師らが製造元のダイキン工業に対し、製造物責任法に基づいて損害賠償を求め、提訴に踏み切ったのです。2018年9月裁判所の判決は、出火場所を2階ベランダと認定したうえで、「ベランダには室外機以外に発火源となるものがない」と指摘し、教会側が勝訴しました。 東京地裁は教会側の訴えを認め、ダイキン工業に対して約496万円の支払いを命じました。今回の判決では、争点となった室外機だけを検討するのではなく、出火場所になり得る箇所を列挙し、それぞれの場所に発火源があるか否かを検証するプロセスを採っているのです。 |
危険な電気ストーブ | 雷による思わぬ火災 | ||||
近年、全国的に火災件数は減少傾向にあります。 東京消防庁が管轄する東京都内の火災件数も減少し、2007年の5,800件から2016年には3,982件となりました。 これは出火原因として多い放火や火遊びが、防犯カメラやガスライターのチャイルドレジスタンスの普及などにより大幅に減少しているためと考えられます。 しかし、異なる傾向を示しているのが、意外にも、電気製品やコードなどから出火する電気火災であり、毎年1,000件前後発生しています。全火災に対して、電気火災の占める割合は、2007年の17%から2016年の26%にまで増加しています。その中でも電気ストーブによる火事が多いのです。 東京消防庁によると、平成29年10月1日~平成30年3月31日までの間に、東京都内の火災件数は76件、死者数 7人傷者数 34人。 東京消防庁によると、ストーブのうち、最も火災の危険が高いと思うものについて質問したアンケート調査の結果、8割以上の人が石油ストーブと回答しました。しかし、実際には電気ストーブの火災が最も多く発生しています。 電気ストーブは、「火を使わない」ことで、火災になりにくいと思われがちですが、ストーブ火災の実態と大きく異なっています。また、ストーブを使用する際に燃えやすい物と、どの程度離しているかの問いでは、1m未満で使用している人は、石油ストーブで約30%なのに対して、電気ストーブでは60%を超えています。東京消防庁が行った実験では、電気ストーブの前面10cm以内では、ストーブに接していなくても燃えやすい物から発火する可能性が確認されています。 東京都の実験では、綿布団を電気ストーブから5センチの距離に置いた場合、実験開始から11分で白煙があがり、14分後には表面温度が約500度に達した。30センチの場合も約5分で約100度となりました。都では「綿布団は400度前後で出火するとの文献もあり、100度ではやけどの恐れもある」と警鐘を鳴らしています。 | 2019年4月、東京都東久留米市にある木造2階建て住宅で火災が発生。 午後4時30分頃、高所作業中だった電信柱に、雷が落ちました。落雷からおよそ10分後、電信柱から直線距離で約15m離れた住宅で煙が発生。 しかし、この住宅は落雷した電信柱からは引き込み線を引いてはいなかったのです。しかも、電信柱と隣接する住宅には被害が見つからなかったのです。 出火した住宅で著しく燃えたのは、1階の食堂と洗面所を隔てる間仕切り壁付近。柱と土台の一部が炭化して消失し、基礎と緊結していたアンカーボルトが飛び出ていました。 ただ、床下に敷設していたLPガス用ステンレス鋼フレキシブル管(ガス管)は焼け焦げていたのです。 出火の原因は、落雷により損傷した、ガス管に起因したと思われます。 |
火事の原因 も参照にして下さい