騒音被害ー2

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飲食店舗の騒音裁判保育園の騒音裁判
騒音被害住人は、駅から徒歩1分の商業地域のビルに住んでいます。その住んでいるビルの隣に飲食店が開店しました。
問題は新しい飲食店の設備の設置場所でした。
排気ダクトとエアコンの室外機は住人の住んでいるビル側に設置したのです。
そのため住人は、稼働時の騒音が規制基準を超えているなどとして、新しい飲食店の騒音を出している設備類の撤去と損害賠償金の支払を求めて提訴しました。
それに対して店舗側は権利の濫用であることや、受忍限度は超えていないこと等を主張しました。
2003年東京地裁の判断は、騒音は受忍限度を超えており、1日につき3,000円の慰謝料を請求することが出来るとしたのです。
しかし、今後の改善工事の可能性もあり、ダクト及び室外機の騒音の状況、被害の内容等の事実関係の推移を待たなければ、損害賠償請求権の成否は内容を確定し得ないから、将来の給付の訴えにかかる部分は理由がないともしました。
そしてダクト及び室外機が撤去されれば、店舗の営業は困難になることなどを総合すると、ダクト及び室外機の撤去請求までは認められないとの判断です。
つまり、今後の飲食店の対応を待つ事になります。
2006年4月に開園した、神戸市の認定こども園の近隣の男性から、こども園からの音がうるさいとして、2014年6月騒音による慰謝料100万円と保育施設からの騒音が50dB以下になるような防音設備の設置を求めて、神戸地方裁判所に提訴しました。
ただ、周辺には六甲ライナーや阪神高速道路などがあり、そもそも騒音が絶えない地域なのです。その結果2017年2月、神戸地裁は保育施設から発する音について、「一般生活上、受忍すべき限度を超えていない」と判断し、原告男性の訴えを棄却。
しかし神戸地裁判決を不服とした男性は大阪高等裁判所に控訴。大阪高裁は保育施設の公益性や事業者による周辺地域への対応などを考慮したうえで、「環境基準および騒音基準に照らしても大きな問題は指摘できない」との理由で地裁判決を踏襲したのです。
その後男性は結局最高裁判所に上告。2017年12月、最高裁判所が上告を棄却したことで、原告男性の敗訴が確定になりました。
ただ、こども園は裁判に勝ったものの、原告男性から営業活動の妨害を受けるなど、トラブル収拾に大変な労力と時間を要する事になりました。
結局園庭の奥には、高さ3mの遮音性能を備える白いフェンスを作ったのです。