都市のスラム化ー2

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秋田の苦悩住宅総量コントロール
2019年7月総務省発表によると、人口減少率で最も高かったのは秋田(1.48%)で、出生数から死亡数を差し引いた「自然増減」の減少率も1位は秋田で1.03%でした。
また、2018年10月現在で65歳以上の高齢者の割合が36.4%と第1位。
また2017年4月時点で100万人を割り込んだ秋田県の人口ですが、2045年には60万人まで減少する見込みなのです。その時点で65歳以上人口も50.1%と全国で唯一50%を超える予想。75歳以上も31.9%となるようです。
そのため税収は減る一方で、集落が点在しているとインフラの維持管理にも費用がかさみます。人口が減ると商用施設もなくなる可能性もあり、労働力不足、耕作放棄地の増加、空き家など、問題は多くを残します。
そして2040年になると40歳までの人口が極端に少なくなり、つまり不動産を求める人が極端に減るのです、相続した物件が徐々に市場に出回り、価格を押し下げる可能性もあります。
現在秋田駅前の商業施設は維持しており、人の動きがあるものの、そこから少し離れると非常に寂しい状況です。JR秋田駅から徒歩数分以内ですが、数多くのテナント募集物件(オフィス空室)、シャッターが閉じた店、寂れた建物があります。
例えば駅から徒歩5分ほどの老舗の百貨店。百貨店と名はつくものの、売り場は1階のみで衣料品と化粧品だけで、営業は週休2日(水・木)で、夕方5時に閉店。夜になると、秋田駅前の大通りも人影はまばらになるのです。
秋田県は地形上、山が多く可住地は全体の約1/4と少なく、海岸部の平地と内陸部の盆地を中心に都市が分散している状況です。そのため、平均都市間距離は東北平均よりも長く、関東地方の約2倍となります。
また、県全域が豪雪地帯に指定され、そのうち52%は特別豪雪地帯であり、冬期に通行不能となる 路線が多いほか、速度低下、交通事故など、安定した交流・連携が妨げられているのが特徴ですから、問題解決はかなり厳しいでしょう。
東京都中央区では、タワーマンション中心の再開発を進めて来た結果、人口は20年程で倍増しました。
人口急増の結果、駅のホームは人であふれ、学校や保育所の不足問題も明らかになってきました。暮らしへの影響に深刻さを感じた中央区は住宅に対する方針の転換を開始。ひとつの方策として住宅の容積率緩和の廃止を決定しました。
総務省統計局によると日本の人口は2005年の1億2808万人をピークに減り始めています。2045年の日本の総人口は約1億642万人との予想が出ています。にもかかわらず、今なお新築住宅の戸数はあまり減っていません。
国土交通省が発表した2019年の新設住宅着工戸数は、90万5123戸。なぜ人口が減少に転じているのに、新築住宅着工戸数は減っていかないのでしょうか。
現在、日本では住宅供給を直接的に抑制する法律はありません。戦後40年間続けてきた「住宅建設法」により住宅は造り続けたのですが、2006年3月に廃止にはなりました。
しかし今後の数値目標は策定されていない状況です。
欧米では「都市計画」で住宅供給数を行政がコントロールしている国や市などがありますが、住宅供給を規制していない日本では、住宅を「つくりたければつくれる」ので、民間が住宅供給を主導している以上、住宅を「つくれる場所があればつくる」という状況です。住宅総量のコントロールをしていないのは、先進国では今、日本だけなのです。
この事が、日本の中古住宅市場が活性化しない理由だともいわれています。
日本では将来、大都市でも「必ず」人口は減り始めます。このまま住宅をつくり続けると、必ず住宅の供給過剰状態に陥る事になります。
地価の下落、空き家の激増等、さまざまな問題を引き起こしてしまうでしょう。
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