危険ながけ地

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がけ地の事故例ー1がけ地の事故例ー2
新幹線の窓からから眺める風景として、どこでも見られるのは密集した住宅地です。

それは野山を切り開いてどこまでも展開しています。ここまで開発してもいいのかと思うほどに。

そして「がけの」上にまでも、住宅開発が行なわれています。どう見ても安全とは感じられません。

そのような都市環境の中で、1999年横浜で事故がありました。50mを超える「がけ」崩落し、「がけ」下のマンションが土砂に埋まりましたが、幸い一人の軽いケガでおわったようです。

もしこれが、普通の木造住宅であったならば、大変な被害が起こっただろう事は想像出来ます。

「がけ」を管理していたのがたまたま、防衛施設庁だったために、賠償はできたようです。






下図では、ある事故の例ですが、8m程の「がけ」の上の建築物を解体し基礎も撤去し、地面を露出したまま終わりました。ところがその後雨が降り水が地面に浸透し、そのため「がけ」が崩れて下の住宅を壊してしまいました。

下図では、「がけ」の上に新築工事をする場合の例です。

杭を打つ時に地面を振動させ、そのために「がけ」にヒビが入り、その後何がしかの要因によって崩落が起きてしまいます。



がけの安全とは危険な放置竹林
あるデベロッパーが、「がけ」の上に建築をするために、役所に確認を提出し、OKをもらっていました。
しかし、「がけ」下の住民からは「がけの安全性」に問題があるとして、確認をOKした建築主事に対して、確認の取り下げを求める裁判をおこしたのです。
建築主事は「がけの安全性に影響を及ぼさない」と主張しましたが、それは、仮に「がけ」が崩れても、それに伴って建築物は崩壊することもなく安全である、と解釈出きるものであり、「がけ崩れの恐れが一切無い」とは言えないとして、裁判長は、建築確認の取り消しを言い渡しています。
この例では、建築主事の安全の解釈が、建築の事だけしか考えていなかったわけであり、役人の人にはもっと周りの状況までを、目を見開いていただきたかったです、周囲の安全が確認出来るまで。
2017年7月、熊本県和水町の民家裏の竹林が約200m2にわたって崩落しました。
当時この地域では大雨が降っていました。民家に被害はなかったものの、この竹林は町外の人の所有で、伸び放題の放置竹林でした。
林野庁によると、国内竹林は東京ドーム約1700個分の広さがあると推測され、その多くは管理されておらず、今後も増え続けるそうです。
がけ地の放置竹林は大雨で崩れやすく、しかも繁殖量に富み群生して周りの森林を侵食します。
日光を遮って他の植物を枯らし、そこをイノシシの生息場所となり、近くの農作物への被害をもたらす事になり、生態系に悪影響を及ぼすのです。
地方の過疎化もその原因となっていて、地方自治体の管理が及ばない状況があります。



崖地の危険な工事斜面崩壊の恐怖
事業主のベイサイドは横浜市南区堀ノ内町で、崖の上に地下車庫付きの5棟の木造住宅を建築する計画。コスモテックに工事を依頼して2008年11月に着工しました。ところが一部住宅を着工してから、現場に面する高さ約20mの崖において、3回にわたり崩落事故を起こしていました。この崖は住宅建築以前にも崩落事故が発生しており、横浜市南土木事務所が法枠と擁壁を設置。さらに、崖の上部には崖を上がった所に住む市民用の簡易な歩道を設けてありました。2008年に始まった住宅建築の工事では、それらを撤去して崖を高さ11m以上削り、高さ約7.5mの土留め壁と地下車庫を持つ住宅を建てるという難しい計画を立てていたのです。そこで横浜市は2018年11月、ベイサイドとコスモテックの2社を工事中の地盤崩落などによる危険を防止するよう規定している建築基準法90条に違反したとして、刑事告発しました。しかしその後何の動きもない事で、2018年12月横浜市は建築基準法違反を理由とした初の行政代執行を決行。戸建て住宅の建築現場において、法面のすべり防止工事を始めた。同工事の設計費と工事費など約1億2000万円を事業主と工事の元請け会社に請求する予定です。2018年4月11日、大分県中津市耶馬渓町金吉で斜面崩壊が発生しました。
住宅4棟が倒壊し、1人が死亡、5人が行方不明になりました。崩壊の規模は幅約200m、長さ約250m。
この年、3月下旬以降、まとまった雨が降っていないなかで発生した異例の土砂災害です。山崩れの現場を調べた国土交通省の専門家チームは、「大雨で地下水が上昇し土砂の強度が低下することがあるが、何日か前に降った雨でこれだけの崩壊を引き起こすことは考えられない」と指摘。
火山活動研究グループによると、一帯は溶結凝灰岩が斜面の上部に、下部に安山岩などの地層があり、現場周辺では過去に多くの地すべりが起きたとみられます。
今回と同じような構造の地形は珍しくなく、発生頻度は低くても、岩盤風化のリスクは各地にあるのです。
このような「土砂災害特別警戒区域」は全国に約36万カ所あるのです。
警戒区域に指定されている住民にとっては、何時起こるかも知れない山崩れに対し、不安な毎日を過ごさなければなりません。

危険ながけ地ー2 も参考にして下さい