近隣トラブルの悩みー2

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民法の乱用マンション反対訴訟
2012年12月、戸建て住宅の完成間近に隣家から要望があると設計者に連絡がありました。
その要望というのは「1階の窓と2階バルコニーの手摺柵に目隠しを付けてほしい」との事。
そして隣家の人から1枚のコピー用紙を渡されました。それには民法235条1項の条文が書いてありました。
「境界線から1m未満の距離において他人の宅地を見通す事の出来る窓または縁側を設けるものは、目隠しを付けなければならない」と記されていたのです。
しかし新築住宅の窓やバルコニー手すりも隣地から50cmしか離れていませんでした。ただ、設計した窓とバルコニーからは隣家の外壁しか見えないのです。
しかし民法の条文を当てはめれば、目隠しをしなければなりません。設計者は新築住宅の建て主と相談をして、目隠しを付けることになりました。
では、民法235条1項の趣旨はどうなのでしょうか。実は隣地境界線から1m未満に位置するだけで目隠しの請求を認めているわけではないのです。
目隠しの請求が認められるのは、その窓から他人の宅地を見通せる事が条件になっています。隣家の人は、条文の真の意味を理解できてはいなかったのでしょう。
マンションデベロッパーAは横浜の、ある土地に地上7階、地下3階のマンションを建築する計画を立て、土地を取得。
ただその土地は、丘陵の外縁に位置し、その東側は急傾斜地であるために、以前がけ崩れが発生し、がけ下の私鉄が終日不通となった経緯がありました。
また、片道1車線でS字型の勾配のある道路に接しています。
近隣住民Bはその地域の建築協定運営委員長であり、自治会マンション対策専門委員長でもあります。その自治会マンション対策専門委員会は、Aの計画したマンションに対する意見書なるものを作成し、自治会の会員に配布しました。
その内容は、危険なマンション計画、以前がけ崩れが起きた土地、マンションができれば多数の車屋自転車が出入りする、眺望や風害、日照、プライバシーなどに大きな影響等です。
また、Bはインターネット上の掲示板に、同様の書き込みをし、更に、52,000世帯にミニコミ誌も配布しました。
これらに対しAは、名誉と信用の損害を受けたとして、損害賠償と謝罪広告を求める訴えを起こしました。
2003年9月、横浜地裁は、名誉棄損とは認められない旨の判決を言い渡しました。判決内容としては、マンション建設計画に対して、近隣住民らにより建築反対運動が起きたものであり、表現行為も、この反対運動の一環である事。
表現行為の内容がマンション建築に反対する趣旨の意見の表明の範囲内にとどまるものである限り、Aの社会的評価を低下させるというような性質の行為であるということはできない、としました。



ゴミ置き場のトラブル
2001年Aは、あるマンションの1階の部屋に入居。
入居前の内覧会の時、入居予定の部屋の前庭前に、工事中の資材置き場があり、不動産業者Bに話をすると、この場所が町内のゴミ置き場になることを聞かされたのです。
AはBにゴミ置き場の撤去を要求したら、後日移設は可能である事の連絡を貰いました。Aはその話を信じて入居したのです。
その後Bは町内会と交渉をしましたが、結果移設出来ない事をAに告げました。
AはBに対して、契約を解除するか、購入価格を減額するか、或は庭前に植栽を植え、慰謝料を支払うよう要求したため、紛争調停となりました。
Aは、ゴミ収集の音や他人からの覗き込み等に悩まされ、慰謝料として270万円の支払いを要求。
Bは、担当者が退職しており、ゴミ置き場の移設も、近隣の同意が得られないため不可能になり、植栽をして、30万円の支払いは可能としました。
その後調停委員からの提案で、植栽と解決金として60万円の支払いを提案し双方とも和解に至りました。
企画中
近隣トラブルの悩み を参照して下さい