土壌汚染の恐怖ー2

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土地区画事業の産業廃棄物地震によるヒ素汚染
2019年5月、神奈川県相模原市土地区画整理事業の対象地から大量の産業廃棄物が見つかり、事業を一時中断せざるを得ませんでした。
圏央道相模原愛川インターチェンジから約3kmで交通の便が良い立地です。事業対象区域は38.1ヘクタールあります。
そこに産業系ゾーン、住宅系ゾーンをわけ、複合型物流センターの進出も決まっています。
2019年6月、市長は「一度立ち止まって検証を行う」と表明。2019年7月、都市建設局都市建設総務室に6人の検証班を設置し、対応に当たっています。
産業廃棄物が埋まった土地では、土が十分に締め固められないため、造成地に建築物を建てると沈下する恐れがあります。
市の試算では産廃の処理に60億~100億円かかる模様。市では整備事業の対象地で産廃などが見つかった場合、土地所有者が処理費を負担すると条例で定めています。
現状では「地中障害物が投棄された経緯を調べて処理方法などを検討する」としていますが、膨大な費用が予想されるので、「所有者が負担しきれない費用をどうするかの検討も必要だ」との事。
2011年3月の東日本大震災による土砂崩れと津波のため、宮城県気仙沼市の金鉱山の廃鉱から、有害物質のヒ素を含む大量の土砂が住宅地に流れ出し、一部の住民が避難しました。

ヒ素は鉱滓1キロあたり約200ミリグラム含まれるらしい。気仙沼市本吉総合支所が高地区(約180戸)にある井戸や沢6カ所の水を調べたところ3カ所で基準値を超え、最大で24に当たる1リットルあたり0.24ミリグラムが検出されました。ヒ素は5~50ミリグラムを摂取すると中毒症状を起こすといいます。

大谷鉱山は平泉の黄金文化の源泉だったと伝えられます。1905年に試掘を始め、最盛期を迎えた戦前に年間約1トンの金を産出。1976年に資源枯渇で閉山しました。

土砂崩れがあったのは同市本吉町の大谷)鉱山の堆積場。JX日鉱日石金属によると、鉱石から金を採取した時、ヒ素を含む鉱滓と呼ばれる土砂が出ます。その堆積場が3月11日の地震で液状化。土砂41万立方メートルのうち、5万立方メートルが敷地外に流出して道路を塞ぎました。 



六価クロムの黄色い水アスベスト汚染裁判
2012年11月、東京都都立大島小松川公園周辺で、六価クロムが検出されたが、東京都は「健康に影響はない」として区や住民に連絡していなかった事が発覚。
2011年2月と2012年4月に、有害物質の六価クロムを含む地下水が漏れ出ていたことが都の調査で判明。処理のため除去した土壌からは環境基準の約220倍の六価クロムが検出されました。
この一帯は1970年代、都が購入した工場跡地に高濃度の六価クロムを含む鉱滓が大量投棄され土壌が汚染されていたことが発覚し問題化。鉱滓は毒性を取り除いた上で鉄板などで仕切った地中に埋められている状態でした。
東京都環境局によると、2011年2月に都道の割れ目から黄色い水が流れているのを都職員が発見し、検査したところ六価クロムが含まれていました。2012年4月には約700メートル離れた公園入り口でも黄色い水が流れた跡が見つかったのです。
いずれも直ちに無害化処理したましたが、都道の下から除去した土壌からは水1リットル当たり11.1ミリグラムの六価クロムが検出されましたが、原因は不明です。
2016年に、ヤマトの羽田クロノゲートの土地購入での裁判がありました。
ヤマト運輸は2007年に荏原製作所から東京都大田区羽田の土地を購入する売買契約を締結し、新物流ターミナルの建設を進めました。
ところが、荏原製作所が使用していた旧建物の解体工事が完了した後、土地の表面および地中に、アスベストを含有するスレート片が広範囲にわたって多数混入しているという事実が判明。
ヤマト運輸は、アスベストを含むスレート片は人体に害を及ぼす可能性があると考えられることから、周辺住民の方々および行政との協議を行い、慎重な検討を重ねた上で、アスベストを含む土壌を全量撤去。
そして、売買契約上の瑕疵に該当するものと判断し、荏原製作所に対し、撤去に係る費用等の負担を求めました。しかし、荏原製作所はその負担を拒絶したため、東京地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起。
2016年4月、東京地方裁判所は、ヤマト運輸の請求を一部認容し、荏原製作所がヤマト運輸に対し、56億1,812万4,016円およびこれに対する年6分の遅延損害金の支払いを命じる判決を下しました。

土壌汚染の恐怖 を参照して下さい